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海洋散骨

今年は海洋散骨のご依頼が大変多い年です。

日本海側は9月をもちまして今シーズンは終了ですが

太平洋側は一年中可能です。

しかし、海上のため寒さは半端ないので

お勧めはしておりません。

 

さて、来週は2件の海洋散骨が控えています。

13日と16日です。

台風の影響を懸念しておりましたが

何とか散骨ができそうです。

本日13日はお母様の散骨でした。

お子様とご主人様が散骨されました。

実は故人様とは一度お目にかかっていました。

故人様がお元気なころ、認知症で施設にいるお実母様の散骨のご依頼をお受けしていました。

ご自分ががんを患い、もしかすると自分が先に逝くことになるかもしれないという事でした。

お話をさせていただいたのは昨年でしたが、まだ全然お元気でした。

今回ご子息様からお電話をいただいた時はにわかには信じられなかったです。

葬儀が終わりご遺骨をお迎えに行き、骨箱を抱えた時に複雑な思いになりました。

どんな気持ちで私にお実母様の事を託したのだろうか・・・

二度ほどお電話で海洋散骨の話をしただけなのに、私を信じてくれたんだと・・・

「〇〇さん、お母様の事もしっかりとお手伝いしますから」と

ご遺骨に話しかけながら、粉骨作業を進め和紙にお包みしました。

 

散骨はご主人様とご子息様とお嬢様とで行いました。

プレミアムモルツがお好きだったそうです。

献酒の時にご主人様が

小さな声で「あんまり酔うなよ」とおっしゃっていました。

語りかけるそのお声とトーンがあまりにもお優しくて

生前いっしょに楽しく晩酌していたのかなと感じました。

献花のあと、お子様たちが

「バイバイ、またね」と大きく手を振っていました。

お父様の語り掛けやお子様たちの様子を拝見して

家族じゃないのに不覚にも、グッときてしまい

涙をこぼしそうでしたがなんとか堪えました。

 

乗船する時もキャビンから出る時も下船の時も

お子様たちがお父様を気遣いお声がけをしたり

手を差し伸べたりと、お母様が築いた家族は優しい家族なんだなと

勉強させていただきました。

 

故人様の笑顔はこれからも私の心に残っていくと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

そしてこれからもお手伝いさせていただくことなるご遺族様に

誠心誠意寄り添っていきたいと思います。